「健康経営を学ぶ」第2回:「健康経営銘柄の総括」

著者:山野美容芸術短期大学 教授
新井研究室 主宰
新井卓二氏

38日に経済産業省は,「健康経営銘柄2023」と「健康経営優良法人2023」を発表しました。経済産業省と東京証券取引所共催の銘柄には,31業種から49社が選ばれており、初選定は14社となりました。優良法人は,日本健康会議によって大規模法人部門として2676法人、中小規模法人部門として14012法人が認定されました。選出法人数は22年に比べて、どちらも1割強増え,評価上位法人には「ホワイト500」と「ブライト500」の冠がつけられました.選定,また認定された皆様はおめでとうございます!今回残念ながら外れてしまった皆様は来年2024に向けて早速「健康経営」に取り組んでいきましょう!

9日には「健康経営AWARD2023」が東京のイイノホールで開催され,オンラインで誰でも視聴できました.見逃した方は,15日からACTION!健康経営( https://kenko-keiei.jp/ )にて,アーカイブ配信が始まりましたので,ぜひご覧ください.

さらに日本経済新聞朝刊では,9日に健康経営銘柄企業一覧が,15日に大規模法人部門のホワイト500の企業一覧,16日には中小規模法人部門のブライト500の企業一覧が紹介されています.このように新聞紙面で個別企業名が公開されるケースは少なかったですので,私も拝見し大変驚くと同時に,選定された企業様にとっては大変嬉しいことだと推察します.メディアの力を感じると同時に改めて認定された皆様おめでとうございます!

さて健康経営銘柄では,14社(明治ホールディングス株式会社、サントリー食品インターナショナル株式会社、株式会社トクヤマ、ライオン株式会社、ニッタ株式会社、浜松ホトニクス株式会社、大阪瓦斯株式会社、ウイングアーク1st株式会社、ソフトバンク株式会社、三井物産株式会社、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、野村ホールディングス株式会社、三井不動産株式会社、株式会社パソナグループ)が初認定となりました.

銘柄選定の基準は1,重大な法令違反等がない。2,健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内である。3,ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上または直近3年連続で下降していない企業を対象とし、ROEが高い企業には一定の加点を行う。4,前年度回答有無、社外への情報開示の状況についても評価し、一定の加点を行う。となっています.

今回から、業種から銘柄企業に選定される上限が設定され,食料品,化学,電気機器,情報通信,からそれぞれ4社が選定され,取り組みやすい業種として見受けられました.また全33業種から,今年も倉庫・運輸関連業と陸運業から選定されておらず,こちらは取り組みにくい業種に見受けられます.そして健康経営銘柄の制度開始から9年連続で選定されているのは、SCSK株式会社のみとなりました.選定の傾向としては,健康経営を産業保健の延長として取り組んでいる企業より,経営戦略として位置づけ取り組んでいる企業(ウエルビーイング含む)が増えているように見受けられます.具体的には,自社のヘルスケアサービスや商品を含む健康経営資源を活用した取り組みとなります.健康経営銘柄2023の業種該当企業は下記の通りです.

健康経営銘柄2023

業種銘柄企業名選定回数
水産・農林業1332株式会社ニッスイ5回目
鉱業1605株式会社INPEX4回目
建設業1887日本国土開発株式会社3回目
食料品2269明治ホールディングス株式会社初選定
2502アサヒグループホールディングス株式会社6回目
2587サントリー食品インターナショナル株式会社初選定
2871株式会社ニチレイ3回目
繊維製品8111株式会社ゴールドウイン2回目
パルプ・紙3891ニッポン高度紙工業株式会社3回目
化学4043株式会社トクヤマ初選定
4461第一工業製薬株式会社4回目
4901富士フイルムホールディングス株式会社3回目
4912ライオン株式会社初選定
医薬品4151協和キリン株式会社2回目
石油・石炭製品5019出光興産株式会社2回目
ゴム製品5186ニッタ株式会社初選定
ガラス・土石製品5332TOTO株式会社8回目
鉄鋼5406株式会社神戸製鋼所4回目
非鉄金属5801古河電気工業株式会社2回目
5802住友電気工業株式会社2回目
金属製品3436株式会社SUMCO2回目
機械6381アネスト岩田株式会社2回目
電気機器6645オムロン株式会社5回目
6724セイコーエプソン株式会社2回目
6965浜松ホトニクス株式会社初選定
7751キヤノン株式会社5回目
輸送用機器7203トヨタ自動車株式会社2回目
精密機器7701株式会社島津製作所3回目
その他製品7951ヤマハ株式会社2回目
電気・ガス業9532大阪瓦斯株式会社初選定
陸運業
海運業9104株式会社商船三井3回目
空運業9201日本航空株式会社5回目
9202ANAホールディングス株式会社2回目
倉庫・運輸関連業
情報・通信業4432ウイングアーク1st株式会社初選定
9434ソフトバンク株式会社初選定
9687株式会社KSK5回目
9719SCSK株式会社9回目
卸売業8002丸紅株式会社2回目
8015豊田通商株式会社3回目
8031三井物産株式会社初選定
小売業8252株式会社丸井グループ6回目
銀行業8316株式会社三井住友フィナンシャルグループ初選定
証券、商品先物取引業8604野村ホールディングス株式会社初選定
保険業8766東京海上ホールディングス株式会社8回目
その他金融業8566リコーリース株式会社7回目
不動産業8801三井不動産株式会社初選定
サービス業2168株式会社パソナグループ初選定
6078株式会社バリューHR3回目
8769株式会社アドバンテッジリスクマネジメント2回目

経済産業省 ニュースリリース「健康経営銘柄2023」に49社を選定しました!より一部改変

次回は健康経営の推進を担当している経済産業省の、健康・医療新産業協議会 健康投資ワーキンググループの内容について解説します。

※コラム記事は執筆者の個人的見解であり、オムロン ヘルスケア株式会社の公式見解を示すものではありません。
※ 健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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著者プロフィール 新井卓二氏(Ph.D. MBA)

山野美容芸術短期大学 教授、新井研究室主宰
公益財団法人日本ヘルスケア協会 健康経営推進部会 副部会長
一般社団法人社会的健康戦略研究所 運営委員&特別研究員

証券会社勤務を経て、法人向け出張リラクゼーション株式会社VOYAGEを創業し売却。その間、明治大学ビジネススクールTA、昭和女子大学研究員、山野美容芸術短期大学講師を経て現職。著書に「最強戦略としての健康経営」、「ヘルスケア・イノベーション」、「経営戦略としての『健康経営』」、他「『健康経営』の投資対効果の分析」等健康経営の論文多数。