第14回『冬は太りやすい?ダイエットをするなら今がチャンスかもしれません。』

第14回:2019年12月4日更新

 

 

著:阿部菜月氏(パーソナルトレーナー・スタジオインストラクター)

 


パーソナルトレーナー兼スタジオインストラクターの阿部菜月です。
今年も残すところあと2ヶ月。朝晩の空気は冷たくなり、すっかり冬らしくなりましたがいかがお過ごしでしょか?
お風邪など召されないようお気をつけください。

この時期になると、ダイエットに取り組む方が少なくなるように感じます。
厚着になり、夏に比べて意識が低下するとうのが要因のひとつかと思いますが、皆さんはこれからの時期のダイエットについてどう思いますか?

普段からトレーニングをされているお客様からも「冬は蓄えやすい(脂肪がつきやすい)からせめて現状維持ができればいい。」などと言う声を多く聞きます。
冬は痩せにくい・太りやすいと感じている方が多いかと思いますが、果たして冬は痩せにくいのでしょうか?
ダイエットに取り組むには難しい季節なのでしょうか?

答えは “NO!”  実は冬の方が体は痩せやすいのです。

今回は冬の方が痩せやすい理由、冬に太ってしまう原因についてお話しします。

ー冬の方が痩せやすい理由は?ー

冬は気温がぐっと下がりますが、寒くても人間の体は一定の体温を維持します。
これはホメオスタシス(恒常性維持機能)といって、環境が変わっても体の状態を一定に保とうとする機能の働きによるものです。
この働きが冬に痩せやすくなる理由と大きく関係します。
冬場の気温の低いところでも一定の体温を保つために、人間は体を無意識に震わせ、産熱して体温を上昇させます。
これによりたくさんのエネルギーを使う為、冬は夏に比べて基礎代謝量(生命維持をする為に要するエネルギー)があがります。
基礎代謝量は私たちが1日で消費するエネルギーの約6割を占めており、基礎代謝量があがることが夏よりも痩せやすくなる大きな理由です。

 

ーなぜ冬に太るのかー

痩せやすいはずの冬になぜ太るか。
実はこれもホメオスタシスの働きが関係しています。
気温が下がりカロリー消費が多くなりますが、体は一定のエネルギーを確保するためにエネルギーを蓄えようとします。
体がエネルギーを欲することで、空腹感が増し、必要以上に食べてしまうことが太る要因の一つです。
それに加え、忘年会・新年会・お正月などのイベントごとが多くなり、いつもより多く食べたり飲んだりする(=摂取カロリーが増えやすい)
かつ、お正月などの長期休暇で活動量が低下しやすいしやすい(=消費エネルギーが減りやすい)のも大きな要因となります。

 

ーホメオスタシスとダイエットの関係ー

ホメオスタシスはダイエットの停滞期にも大きく関係します。
例えば食事制限をして体重をある程度落としたとします。
一定のところまで落ちると体重の変化がなくなり、停滞期がやってきます。
これはホメオスタシスが機能している証拠で、体がエネルギー不足(飢餓状態)にならないよう、できるだけエネルギーを使わないようにしたり、脂肪を蓄えようとしたりしている状態です。
このように体はその時の環境の変化などに適応する性質をもっています。
これからの忘年会や新年会などのイベントごとの多いシーズン、「冬は太る」と諦めモードで迎えるのと、体の性質を理解し、意識して迎えるのとで大きく差が出るかと思います。
食べる量・物さえ気をつけられれば、痩せるには絶好のチャンスの時期だということを覚えておいてくださいね。
この性質を活かしてダイエットに取り組むのも良いかもしれませんね。

体の性質を理解すると同時にご自身の体の現状を把握することも健康管理には欠かせません。
オムロンの ヘルスケア機器は、記録データを OMRON connect に自動共有し、API を通じて各種 システムと共有することもできます。
生活の一部に取り入れやすい測定方法・記録方法ではないでしょうか?
社員の健康を推進される企業の皆様は是非その点にも注目してみてください。

 

※コラム記事は執筆者の個人的見解であり、オムロンヘルスケア株式会社の公式見解を示すものではありません。


著者プロフィール(阿部菜月氏)

大手スポーツクラブにてパーソナルトレーナー・スタジオインストラクターとして活動しています。フィットネスライフを通し、身も心も健康に。皆さんの日常がより充実したものとなるようトレーナー活動をしております。皆さんの健康に携わってきた経験を生かし、ヘルス系のコラムを書いています。運動や健康に関する情報を発信することが、皆さんをより健康に近づけることができれば。また、健康に意識を向けるきっかけづくりができればと思っています。