第5回『健康経営のための社内コミュニティを』

第6回:2019年5月28日更新

 

 

著:吉政忠志氏(マーケッター)

 


健康経営を進めている優良企業は多い。誤解のないように話しておくと、健康経営はフィットネスクラブと提携することや会社にジムを設置することでもなく、健全に経営することでもない。

健康経営(けんこうけいえい)とは、従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法のことである。(Wikipediaより)

極端な話をすれば、社員の大半が不健康であれば業績は下降していくだろうし、退社も増えるだろう。そんな会社に入社しようとする人も減っていくので会社は確実に衰退していく。極端な話と言ったが社員の大半が不健康なITは割とある。ハードなIT業界でなくてもハードワーカーはトップアスリート並みの栄養補給と健康メンテナンスが前提である。いつまでも健康でバリバリ働いてほしいものである。仕事の失敗は取り戻せても健康は取り戻せないことがある。

日々の血圧測定は健康を取り戻せないレベルに行く手前で早期に気がつくためのチェックとしても素晴らしく、日本人全員に義務つけてもいいくらいだと個人的に思う。先日の高血圧改善フォーラム(hytek)主催セミナー ~健康経営に役立つ新しいアプローチ~で登壇された帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座の大久保先生のお話によると、認知症は若年層中年層の高血圧に関連していると説明されていた。認知症予防のためにも若い時から血圧を測っておくべきだ。

さて、本題に入るが、血圧のみならず社員の健康を経営課題として戦略的に取り組む健康経営は素晴らしい。その健康経営に関してもう一歩進めるために企業内コミュニティ、業界コミュニティを立ち上げるのはいかがだろうか。

健康経営を進めることで日々のチェックが進み、健康になるためのガイドラインなるものも社内で共有されるはずだ。そして健康になることで何らかの特典をもらえるような仕組みも出来上がってくるはずだ。そこからもう一歩進んで社内、業界内コミュニティを立ち上げるべきと考えている。単なる掲示板でもいいのだ。なぜかと言うと健康チェックをした後、自分の健康のために何を習慣化するかが大事であり、その習慣化するための方法は、年齢、ポジション、経済力、不健康な箇所によっても効果的な方法が違うからだ。それぞれのカテゴリーごとに習慣化のノウハウを研究、共有するコミュニティが存在するとより効果的に健康経営が進められると思うがいかがだろうか。

健康増進のための習慣化は生活のリズムも生み、健康改善だけではなく、仕事面や家族の件も含めて様々な好転を生むと思う。まだ実施していない会社は是非取り組んでみてはいかがだろうか。

 

※コラム記事は執筆者の個人的見解であり、オムロンヘルスケア株式会社の公式見解を示すものではありません。


著者プロフィール(吉政忠志氏)

IT業界全般から、人事・総務関係、キャリア関係、ヘルスケアまで幅広く執筆をするコラムニストであり、IT業界を代表する企業のマーケティング支援も行う、マーケッター。